去年、2月にパートナーが「一緒に仕事をしたい人がいるから」と、マンションを売り、神奈川県の1LDKというミニマムなサイズの賃貸のお部屋に引っ越しました。
それを機に、「いつかはシンプルで可愛い平屋の家を建てられたらいいなぁ」と夢見はじめました。
でも、まったく土地探しのきっかけがないまま、2016年を終えました。
そして2017年の年明け早々、何の前触れもなく、急激にその夢の家を建てる我が家の「土地探し」が始まりました。
土地探しのきっかけは父が差し出した地域の情報誌でした
去年、お引っ越しをして住み始めた地域は、都心にアクセスはいいけれど、田んぼがばぁ〜っと広がっているような決して「都会」と言えるような場所ではないです。
それなりに小洒落たものが手に入り、カフェで読書をしたり、美味しいお店がたくさんあって、外食も多くなって、日常生活はどちらかといえば「都会っぽい」。
非常に便利。
一瞬、このあたりで家を建てようかとも考えたけれど、なにせ小田急沿線は非常に家が密集しているし、異常に土地の値段が高い!
車を持たないので、できれば近くに病院もスーパーもドラッグストアも徒歩で行かれる場所が良いのだけど、予算を考えると到底無理。
それで、日本中に「終の住処」になるような居心地の良い場所はないだろうか?と、「沖縄に移住してみたい」とか「長野の上田がいい」とか…。
口ではいろいろと言っていたけれど、結局、アクションを起こすきっかけがなく、土地探しを真剣にするでもなく、移住したい県も決まらず、なんとな〜く時間が過ぎていっていました。
たとえば、今回のお引っ越しみたいに「神奈川のどこどこに一緒に仕事を始める人がいるから、この辺りで」みたいに、場所がある程度絞られていないと、住む場所って全然探せないんですよね。
結局は、何かご縁をその土地からいただかないと(あるいは直感がひらめかないと)、どこにも行けないものなのだなぁ、と実感。
すっごく受け身っぽいけれど、どこかの土地が「ここだよ!」と手招きしてくれるまで待つしかない。
できれば60歳になる前には呼んで欲しい。
と、まぁ、ゆったりと「その日」を待つ気持ちになっていました。
が、「その日」は突然、やってきました!
お正月帰省は、最近はいつも大晦日の12月31日〜1月1日は埼玉県のパートナーの実家へ行き、正月過ぎてから岐阜の私の実家へ行くパターン。
今年も同じパターンで岐阜の実家へ行きました。
岐阜の実家は、現在は父が一人暮らし。
「母を亡くし一人になった途端に生活が乱れた!」とか「弱った」とか言われたくない一心で、負けず嫌いの父は、毎日自分に何かしらの課題を課して生活しているみたいでした。
たとえば、「毎週水曜は掃除の日」とか、「月曜は友達とモーニングを食べに行く」とか、「毎日5000歩は必ず歩く」とか「近所の山に2時間かけて登り降りする」とか。
そういう話の中で、父が実家の家を建てた時の話や、近所で建てられていた建売住宅の話になった時、ふと「このあたりの土地っていくらくらいなの?」と聞いてみました。
父が「いつもだったら、捨ててしまうんだけど…」と言いながら、不動産情報満載の岐阜の地域情報誌を見せてくれました。

「ふ〜ん」いう程度に見渡したわたしとは裏腹に、食い入るようにその情報誌を見ているパートナー。
しかも、「ここを見てみたい!」とピックアップまでしてきた!(驚)
すると、パートナーの言葉に応えるように、「明日、その土地と周辺を見にドライブしてみるか」と父。
え…?!
わたしの中では「移住地として岐阜はない!」(パートナーとの話題に一度ものぼったことがないので)と思っていたので、パートナーの言葉と父のあまりにあっさり承諾したような反応(いつもは何についても大反対するのに)にビックリ!
実際に、次の日、その土地を見に行って、パートナーはiPhoneで熱心に動画を撮っていたけれど、わたしはその土地を見ても「ふ〜ん」という感じ。
しかも、次の日は、わたしが岐阜の友人と15年ぶりに会い、お茶している時間、パートナーと父とで仲良くさらなる岐阜土地巡りドライブをしてきたらしい。
あまりの雲行きの変化についていけず、岐阜からの帰りの新幹線でパートナーに「岐阜に住むつもりでいるの?父はわたしたちが岐阜に住むのかと勘違いしちゃうよ」と聞いた。
パートナーは、「亡くなった岐阜のお母さんにいただいたお金、岐阜にお返したらどうだろう?」と。
今の今、この瞬間まで一度も考えてもみなかった言葉に激しく衝撃を受け、心が動かされました。
なんだろ?「妙に納得」みたいな、不思議な収まりの良さとともに、パートナーの優しさに驚きました。
「岐阜でいただいたお金は岐阜に土地を購入して返す。そして、そこを僕たちの終の住処にする。どう?」
パートナーの両親が住んでいる埼玉はどうするんだろう?
「両親があの場所にたどり着くまで、あちこちを転々としたんだよ。そして、僕自身は大学生になったと同時に家を出た」
「特別な想いはない。それよりも、僕は山も見えて、市街地にも近い、地方都市に住みたかったから問題はない」
「ふるさとは自分で作るものだよ」と。
パートナーの話で奇妙に腑に落ちた感じのわたしは、その日家に着くなり、岐阜の大手不動産屋さんのサイトで売り地を検索しました。
今度はすごく真剣に(笑)
そして、一件の良さげな物件に巡り会い、次の日、その不動産屋さんに資料を送っていただけるよう電話をかけました。
終の住処にぴったりの土地はみつかるかしら?
■土地探しの旅。つづきはこちら