明日から娘が3週間のタイひとり旅に出かける。
タイのチェンマイとチェンライのドミトリーなどを泊まり歩くようだ。
半年前までは海外にも行ったことがなければ、パスポートも持っていない、彼女だったのに…。
かなり思い切った冒険に出たものだ、とその大胆さに驚く。
もちろん、タイに行くのは生まれて初めてだ。
初海外はマルーン5のライブチケットが取れなかったから…
思い出すのは、去年の年末に「マルーン5のライブに行きたい!」という娘からのメール。
ところが、マルーン5東京ライブのチケットは完売で、法外な価格のチケットしか無い状態だったので、諦めざるを得なかった…。
「はぁ。…遅かったか…」と思いつつ、英語の本家サイトを見てみると…。
「チケット、あるじゃん!」
日本は完売だけれど、海外ライブならチケットが取れそうな感じがした。
そのことを娘に伝えると…。
「うーん。ライブは行きたいけれど…、海外かぁ…」と躊躇する娘。
彼女は今までに海外に行ったことがなく、パスポートも持っていない状態。
わたしは彼女の心細さを察し、「じゃ、わたしも一緒にライブに行くよ!」と言った。
すると、「すごい!そんなふうに海外に『行こう!』って、すぐに言える人、どこにもいないよ!」と娘から興奮気味のメール。
娘のテンションがググッと上がったのがわかった。
娘には「今までの価値観、思考の枠」を超えてほしいと思った。
「どこの国のライブに行くか?は、あなたが決めて。わたしはどのみち、どの国も行ったことないから、同じだから(笑)」とメールして、チケットの購入を彼女に任せた。
タイと台湾の2つの候補を挙げてきて…、最終的に台湾のチケットを取得。
娘は有効期限3年のパスポートを作り、クレジットカードを作り…。
「え?台湾旅行って3泊5日くらいじゃないの?」という彼女の概念も破りたいがために、敢えて1週間という旅程にしてパートナーと娘とわたしの3人で旅をした。
忘れていた「やりたかったこと」に火がついた

その後、わたしとパートナーがバリのウブドに3週間滞在した際に、娘が合流して10日間滞在。
娘と一緒に町歩きをしたのは最初の3日くらいで、「そろそろ一人で行動したい」と言い、あとは彼女ひとりで行きたいカフェやワルン(食堂)やショップ巡りをして、東京に帰っていった。
“観光はひとつもせず、ただ町歩きをする”というスタイルが気に入ったようで、「旅の楽しみを知った」と娘。
そして、「会社を辞めた今がチャンス!」とばかりに、今度は「フェリーに乗ってみたい!」と北海道旅行に行こうと思いついた。
でも、わたしとパートナーがタイから帰国し、「バンコクは東京みたいに都会だったけれど、チェンマイはのどかな田舎だというから、今度行ってみようかな」と話したら…、娘の気持ちが、急に北海道よりもチェンマイに傾いた。
チェンマイについて調べまくり…、その日は夜3時過ぎまでネットで調べて、眠れなかったそうだ。
「寝るのが朝になっちゃって、…昼夜逆転しちゃって…、と娘は面目なさそうにいっていたけれど…。
こういう楽しいことに夢中になれるって、すごく幸せなことだと思う。
明日、夢を叶える冒険の旅に出る

それから数日後、娘はとうとう一人でタイを旅することに決めた。
「バックパッカーみたいになりたい!」と言った。
「え?スーツケースゴロゴロ引きずって…ですか?!」と、冷やかしたが、「まだ最初だもん」と、恥ずかしそうに答えた。
「でもドミトリーとか、二段ベッドとかでしょ?…個室じゃなくていいの?」と聞くと、「人がいた方がさみしくないから」と。
娘は東京に一人暮らしなので、少し寂しいのかもしれない。
そして「京都に行った時にね、あるカフェに入ったの。そうしたら、そのカフェの上がゲストハウスで、そういうのっていいな、って思ったの」と話してくれた。
だから、チェンマイでの宿泊はカフェ併設のドミトリーやゲストハウスを中心に泊まり歩くそうだ。
そして、すべての宿を手配しているわけではなく、その時々で、決めて泊まるスタイルらしい。
あの日、海外に行くことに躊躇していた娘が、まさか、一人で旅に出るとは夢にも思わなかった。
「タイに行ったら家族4人の『タイ旅行グループLINE』を作って、宿泊する場所とか、写真とかアップして見せてね」と娘に伝えた。
明日から始まる3週間の旅。
どんなメッセージや写真が届くのか、とても楽しみだ。