バリ島ウブドに2週間滞在した中で、一日だけ、車をチャーターして観光ツアーに行ってきました。
ドライバーはバリ島到着後、空港まで迎えにきてくださったニョマンさん。
日本語が話せるので安心です。
今回のツアーは朝11時に出発して、タマンアユン寺院→コピルアクコーヒー製造見学→ウルン・ダヌ・ブラタン寺院→ジャティルイ・ライステラス→タナロット寺院のサンセットと結構盛りだくさんなツアー内容です。
記事にすると、とても長いので、まずはタマンアユン寺院→コピルアクコーヒー製造見学を紹介します。
世界遺産「タマンアユン寺院」
タマン アユン寺院(Pura Taman Ayun)は、バリ島に存在したムングウィ王国の寺として1634年に建築された、歴史の長い寺院のひとつ。
バリ島ではブサキ寺院に次いで2番目の大きさなのだそう。
バリ島の寺院は入場料が必要です。
入場料は1人あたりRp.20,000。
寺院に入るにあたり、足を露出していると、サロンという腰に巻く布が必要になります。
入り口のところで、それを判定(?)する人が居て、「足の露出あり」となった人にはサロンが無料で貸し出され、それを巻いて入場することになります。
わたしは長いパンツで行ったので、堂々と”サロン必要なし”だったのですが、なんと!パートナーは足を出していたにも関わらず「O.K」と言われていて…。

ねぇ。足見えてるのに、どうしてO.Kなの?
すね毛剃っていて、毛むくじゃらじゃないから?(パートナーは自転車に乗るので抵抗を少なくするためにMyシェーバーで常に足の毛を剃っている)
ニョマンさんによれば、「ズボンの丈だよ。膝が見えていなければ大丈夫」なのだそう。
一つ勉強になった。
無事に全員入場を許されたので、先へと進む。

歩いていくと割れ門が見えてきました。
割れ門はバリ・ヒンドゥー教寺院の大きな特徴の一つで、「山信仰」からきています。
バリ・ヒンドゥー教では「神々と悪霊」、「浄と不浄」、「天と地」など2つの対立する物事が存在する宗教です。
その一つの象徴が、海と山。
「海は悪魔の住処。山は神聖なる神の住処」と言われており、割れ門は、その神聖な山を縦に真二つに割ったもので、左右対称の形をしています。
その門をくぐる事によって、汚れた心を浄化してくれると信じられているのです。

割れ門をくぐり、神々の神聖な世界へ。

四方に突き出したパラソルが、なんだか優雅。
さらに中へ入っていきます。

すると、次の門が閉まっていました。

この門の中には、ヒンドゥー教徒の人しか入れないんですって。
聖域なので、わたし達はカメラを向けず、くるりと囲む壁越しに中の様子を見ながら歩きました。
中ではなにやらお供え物を作ったり、和やかな声が聞こえてきます。
観光できるのだけれど、しっかり「聖域」は守られていることに感心しました。
そして、この向こうには広い公園のようになっていました。

木々の間をしばらくお散歩。
「涼しくて気持ちいいね」とニョマンさん。
しばらく歩くと、神様の像がありました。

お顔を拝見しようと見上げると、太陽の光が眩しい。
「それはお米の神様」とニョマンさん。
なるほど。右手に稲穂、左手にお米の入った器を持っています。

足元にもたくさんの稲穂がこうべを垂れ、周りには緑の草が生えていて、いかにも「豊穣の女神」
日本もバリにも名前は違うけれど「お米の神様」がいて、なんだか親近感。
そして、その向こうにはバリ島のバロンダンスで有名な「バロン(バリ島に伝わる獅子の姿の聖獣)」も、いました。

よ〜く見ると、バロンの体は、たくさんの稲穂の束でできていた!
しばらく見ていると、「暑い」とニョマンさん。
「ニョマン。バリ人なのに暑いの、イヤなの?」と言うと、苦笑いで、一人だけ木陰に行ってしまった…。
バリ人、自由すぎる(笑)
コピルアクのコーヒー製造見学
再び車に乗って、コピルアクのコーヒー製造見学へ。
コピルアクはジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆のこと。
「コピ」はコーヒーを指すインドネシア語で、「ルアク」はマレージャコウネコの現地での呼び名。
ジャコウネコの絵が看板に描かれています。

ニョマンさんは「ナイトキャット(夜行性の猫)なんだ」とジャコウネコのことを説明していました。
看板の「バリ・コピ」はバリのコーヒーのこと。
コピルアックの製造見学をさせてくださる農園は1箇所だけかと思いきや、たくさんあるようです。
入り口に入ると、案内の女性が来てくれます。

とても緑が深い場所です。

途中、柵の中に入っているジャコウネコを見ます。
そして、実演の場所へ…。

火の前で女性が座っていましたが、…ただ座っているだけでなにもしている様子が…。
女の子が一生懸命工程を説明したあと…、今まで身動きしなかった、火の前の女性がおもむろに、木の棒のようなもので鍋の中をクルクルと2、3回かき混ぜて…また動かなくなってしまった…。
「ええ〜?!こんなんで”仕事”になってるの〜?!」
そのアバウトな仕事ぶりに度肝抜かれ、珍しいコピルアクの説明よりも、女性の方が気になってしまって…(笑)
園内ツアーが終わり、その珍しいコピルアクをオーダー(有料)。
コーヒーはもう3年くらい前から飲まなくなってしまったし、試したいけれど、飲めなかったら困るので、パートナーと二人で一杯にしてみました。

すると、オーダーしたコーヒー到着の前に、こんなにたくさんのお茶の試飲(無料)がやってきました!
ドライバーのニョマンは、この中で「ジンセンコーヒー」いう高麗人参のような人参のコーヒーが好きだと言う。
他には、ジンジャーやウコン、レモングラス…などハーブ系のお茶もあり、どのお茶も美味しいけれど、しっかりと甘い。
そして、お待ちかねのコピルアク。

バリのコーヒーはカップに直接粉を入れて、お湯を注いで、かき混ぜて、うわずみをすする。
隣の赤いお皿の中にはチョコレート。
このチョコレートを食べながら、飲むのだそうだ。
バリって、甘いもの大好きだねぇ。
初めてコピルアクを飲んでみた。
チョコレートがなくても、苦くなくて飲みやすい。
「ジャコウネコのフンから…」と言われると、珍しいだけで、そんなに美味しそうには聞こえないけれど、実際はさっぱりとして飲みやすいし美味しかった。
とっても面白い体験ができて、よかった。
農園の木々が日よけになっていて、とても涼しい。

ちょっと高い場所にあるので、眺めもいい。
思わぬ優雅なティータイムにうれしくなった。
…でも、あんまりゆっくりしていると、夕日に間に合わないんじゃ…。
「大丈夫。もっとゆっくりして。ここ、とても涼しいから」とニョマンさん。
それは…、もしかしたら、ニョマンさんがゆっくりしたいだけのことじゃないの〜?!(本当にバリ人って軟弱なんだから)
と思いつつ…、「ゆっくり」は好きなので、お言葉に甘えてゆっくりする。
帰りにコピルアクとお茶をお土産に買う。

それがもう、すっごく高くて!
「たかだかお茶、コーヒーだ」と思って、値段も見ずにポイポイとカートに入れてしまったので、総額1万円近くにもなり、現金が足りなくて、慌ててクレジットカードで決済する。
思った以上にお土産代が高くついてしまったが…、コーヒー好きのパートナーの会社の社長が珍しがってくれるなら、「ま、いいか」