悟りの窓 京都の雲龍院で後水尾天皇寄進の机で写経をする贅沢

パートナーが仕事の打ち合わせに行っている間、「悟りの窓」で有名な「雲龍院」へ写経をしに行ってきました。

雲龍院は東山区にある皇室ゆかりのお寺、御寺(みてら)泉涌寺(せんにゅうじ)の別院です。

スポンサーリンク

悟りの窓や大輪の間 好きな場所でお庭を眺められる贅沢な場所

お寺の後ろの山には、第108代天皇の後水尾天皇から第121代孝明天皇までの江戸時代の歴代の天皇のお墓。

さらに、京都をこよなく愛した作家でサスペンスの女王、山村美紗さんのお墓もあります。

ここまで聞くと、「さぞ観光客で混んでいるだろうな」と思いきや、意外にも、訪れる人はごくわずか。

「雲龍院」は、京阪電車に揺られ「東福寺駅」から、さらに徒歩15分かけて坂道を登ったところにあるので、なかなか「来よう!」と思う人が少ないようです。

「静かな京都」を味わいたいなら、雲龍院ですよ。

お寺の門をくぐると、衆宝観音さまがおられます。

その横を通って、玄関へ。

正面には立派な雲龍図がお出迎え。

靴を脱いで受付の前に立つと自動的に呼び鈴が鳴るも、なかなか人が出てこない。

しばらく待っていると、「は〜い」とゆったりとした返事をしながら、受付の方が現れました。

受付で「写経を希望します」と告げて1,500円を支払うと、「写経のあとにお茶の接待がありますから、また声をおかけください」と言いながら、写経場へ案内してくださいました。

「いつもですと龍華殿が写経場なのですが、ただいま壁の工事を行っておりますので、こちらで」と、霊明殿へと案内されました。

「こちらは、一般のかたは入ることができない清浄な場所ですので、撮影は禁止となっております」との説明を受けました。

日本最古の写経道場と言われる龍華殿での写経はできないものの、わたしたちが普段入ることのできない霊明殿へ入ることができるのは、ラッキーかもしれない。

そんなことを思いつつ、写経前の「お清め」に移ります。

「お清め」には4段階の儀式があります。

  1. 丁子(ちょうじ)口に含んで口から発する四つのことを清める。
    ・みだらなことを言わないこと ・無駄な噂話をしないこと ・悪口を言わないこと ・うそをつかないこと
  2. 塗香(ずこう) 手に塗って、身体でする三つの行為を清めます
    ・生物を殺さないこと ・盗みをしないこと ・よこしまな性の遊びをしないこと
  3. 洒水(しゃすい) 清水を頭につけて心から生まれる三つのことを清めます
    ・貪りの心をおこさないこと ・ねたみの心をもたないこと ・よこしまな考えをしないこと
  4. 香象(こうぞう) 香煙に身体を薫してさらに清めます

丁子はクローブと言って、カレーなどに使用するスパイスの一種。

その乾燥したものを、口に含んだら、写経中ずっとそのまま口の中に入れておくのですが、最初はこれが慣れなくて、舌の動きとか、噛んだ時ににじみ出てくる味とかが気になりました。

それでも、後水尾天皇寄進の机で般若心経を筆でなぞり書きしているうちに、「その状態」が普通になって、慣れてきました。

262文字の短めの写経ですが、一文字一文字、ハネやはらいなどといったところまで気をつけて書くと…、なかなか終わらない(笑)

わたしよりも後できた人たちが、どんどん書き終わって、席を立って行ってしまう…。

そう感じた途端、ふと焦りが生まれて…。

そして、また書いているうちに消えて…。

1時間くらいかけて、ようやく最後の締めくくり、「願意(願いこと)」を書くところまでたどりつくことができ…。

「毎日笑顔で過ごせます」と願い事を書いて、住所と名前を書き終えた時は、ホッとしました。

「比べてもしかたがない」と思いつつも、自然にいつもどこかで比べてしまっている…。

そんな心があるなぁ、と気づきました。

書きあがったばかりの写経したものを、お部屋の外に出て、パチリと写真撮影。

普通は黒墨で文字を書いてゆきますが、雲龍院の写経は朱色の墨で書くので、他とは違う感じ。

写経したものは自分の家に持ち帰っても良いのですが、お供えしておくと、毎日ご祈祷してくださるそうです。

ご祈祷をお願いしたい方は、写経したものを持って、龍華殿の菩薩様の前におさめます。

たったひとりで、このお部屋の中に入れることも、なんとなく贅沢〜。

ひんやりとした静かな龍華殿の真ん中にいらっしゃる菩薩様の前に、写経したものをお供えしてお部屋を出ました。

受付で写経が終わったことを伝えると、「お好きなお部屋でお茶の接待が受けられますから、どこでもお好きなお部屋をお選びください」とのこと。

お言葉に甘えて、いろいろなお部屋をまわってみました。

まずは「悟りの間」

有名な「悟りの窓」があるお部屋です。

「悟りの窓」は、真ん中の丸い窓。

「悟りの窓」を正面に眺められるように置かれた椅子に座り、しばし眺めていると、一枚の絵画のような窓の風景に、なんとなく集中してしまい、不思議な感覚になります。

すぐ隣のお部屋は「月窓の間」

「福」と「寿」と書かれた屏風が置かれ、こじんまりとした居心地の良いお部屋。

次は「蓮華の間」

こちらには4つの窓があり、「色紙の窓」と呼ばれています。

座布団のある場所に座ると、窓に見えてくる景色。

左から、椿、灯篭、紅葉、松。

「窓」を使って、景色を切り取って楽しむだなんて、風流な遊びだわ。

そして最後は「大輪の間」

ここが一番広いお部屋です。

わたしはこちらの大輪の間でお茶の接待を受けることにしました。

「庭の近く」に座るのではなく、あえて一番奥のすみのほうに座ってみると、大きなお部屋がより広く感じました。

お抹茶と「皇月」という名前のお菓子をいただきます。

「皇月」は餡を包んだわらびもちで、ぷるぷるの食感が、暑い季節には、ひんやりとして美味しい。

お茶をいただきながら、大きなお部屋で、のんびり。

せっかくなので、最近やり続けている「手動瞑想」もしてみました。

さらに、「大輪の間」には、瞑想石なるものがありました。

椅子の下に置かれた石に、土踏まずを乗せて瞑想するようです。

こちらでも、しばし瞑想。

お庭の緑がとても美しい。

拝観する人が少ないので、美しい輝くような緑も、やわらかな風も、どこからともなくふわりと香る花の香りも、全部独り占め。

思わず畳の上に寝転がって1日を過ごしたくなるほど、心地がいい。

下界に降りていくのがイヤになるほど。

…とはいえ、数人の拝観者がいらっしゃるので、いつまでも「独り占め」はいけない。

ゆっくりと腰をあげて、受付でお礼を言って、雲龍院をあとにしました。

スポンサーリンク

こちらも参考になります