大きなタヌキがそびえ立つ、本厚木からバスで20分の「飯山温泉元湯旅館」へ、ツルツル美肌パワー&繁栄パワーをいただきにやってきました。
飯山温泉元湯旅館の露天風呂付き客室に宿泊
元湯旅館のお部屋へ入った瞬間、わたしとパートナーは「しまった!!」という気分になりました。
ここは旅館。しかも老舗。
ホテルと違って「全館禁煙」なんてものはなかった!!(汗)
旅館の心遣いで、”たばこの消臭スプレー”がこたつのテーブルに置いてあり、換気扇がパワフルに回っていたけれども、匂いがかなりある。
昔の宿は、「禁煙」とか「喫煙」の区別はなかったし、今更匂いを消そうにも、長年壁や床に染み付いてしまったものは、なかなか抜けるはずもない。
わたしたちは、そのことを完全に忘れていて、”いつもは泊まらない温泉宿”に予約を入れてしまったのだから、自業自得だ。
もう、これを楽しむしかない!

お部屋自体は、古いながら、よく手入れされていて、清潔にしてありました。
12畳ほどあるお部屋とコタツのあるお部屋。

温泉にはコタツがよく似合う。
でも、残念なことに、この小さなお部屋が一番くつろげるらしく、タバコ臭が強くて…襖を閉めた。
トイレはウオシュレットが完備され、洗面所は大きく、しかも出てくるお水は「温泉水」なので、トイレのたびに手を洗うと、お肌ツルツル。
そして、洗面所の外には、露天風呂が。

すごく風情のある、いいお風呂だ。
好きな時間に、好きなだけ湯を流して入れるし、ここから眺める川の景色もまた素晴らしい。

夜になるとせせらぎの音だけが聞こえて、とても静か。
庭のところどころに明かりが灯り、夜のお部屋の露天風呂はなかなかいい感じ。
お湯も、強アルカリ温泉なので、本当に「シャンプーがいつまで流しても落ちない」ってくらい、髪の毛がどこまでもツルツルの手触りで、肌もしっとり。
私たちのお部屋は「老松」。

お部屋の鍵も金庫の鍵も「レトロ」。
「老松って年寄りのこと?」とパートナーの言葉に、調べてみると、「老松は年老いた松のことで、末長い繁栄を願う象徴」とのこと。
この旅館のタヌキさんたちも「出世と繁栄」の象徴だし、このお部屋の名前も「末長い繁栄を願う象徴」だから、わたしたちはこの温泉とお部屋から「繁栄」のパワーをもらえるかもね。
そして、旅館の愉しみのひとつといえば、「食」。
食事は本来なら”大広間”でいただくのですが、今回はこの日、「わたしの誕生日」だということで、心遣いで、特別にお部屋食にしていただけました。

さぁ、何が食べられるのかなぁ♪
ワクワクした瞬間です。
まず最初は前菜が運ばれてきました。

左回りに、「タニシの煮付け」「ウドと豆乳とわらび寄せ」「はまぐりと桜の葉寿司とこごみ」に食前酒の梅酒。
わたしのお誕生日だということで、グラスワインをサービスしていただけました。

甘めの軽い口当たりで美味しかったです。
そして、こちらの宿の一番のウリである「ぼたん鍋」。

味噌のお味も薄めでしたが、お肉の臭みがまるでなかったので、すごくいいお肉で、おいしいお鍋なのだと思います。
ですが、元々、夫婦揃ってお肉を食べないので、グツグツ煮えている鍋を見ながら、夫婦共に「美味しくないですか?と心配されちゃうから、もう少し食べたらどうかしら?」と目で合図し合うも、お肉をふたりで三枚がやっと。
珍しいイノシシのお肉なのに、勿体無い(泣)。
そして、お次はお造り。

こちらの温泉は「里山」にあるのだから、お刺身盛り合わせなどがなくてもいい気がするのですが、やはり”懐石コース定番のお料理”だからでしょうか。
夏はこのあたりは鮎が捕れるそうで、「鮎懐石」なるものがあるそうなのですが、冬には鮎がないので、出せないにしても、
たとえば地でで採れた山菜の創作料理を出すとか、このあたりはもう少し工夫があってもいい気がする。
お次は、筍と菜の花を卵で合わせて、周りにはベーコンが巻いてある一品。

金目鯛。

チーズボールと、「ひな祭り」にちなんで菱餅の揚げたものと、ふきのとう。

これは季節感があるし、山里ならではな感じですごくよかった。
そして、揚げた菱餅が意外においしかったし、ふきのとうはほろ苦で、早春の味を楽しめました。
ラストのお料理は、エビの牛肉巻き。

これも、エビはエビだけで美味しいのに、肉が苦手なわたしとしては、どうしてお肉で巻いてあるんでしょう?と悲しくなりました。
パートナーはエビの周りの肉を剥ぎ取って、中のエビだけを食べていましたが、「牛肉の味がたっぷり染み込んでる」と。
和風の温泉旅館って、禁煙喫煙のあいまいなところが多いし、必ず1泊2食付きで、夕食がものすごく豪華な懐石料理で、品数も多くて、必ず肉料理が含まれていることが多い。
やっぱり、タバコの臭いが苦手で、少食で肉が苦手な人が泊まれる温泉旅館は結構、チョイスが難しいなぁ。
食事のラストはアサリの雑炊。

火にかけて、湯気がでてきたら、温かいお雑炊をいただきました。

デザートのココナッツムース。

ひとつひとつお料理を丁寧に説明してくださり、運んでいただけたので、とても気分良く、食べられるものは美味しくいただけました。
そして朝。
昨夜の夕食とはうって変わって、朝食はわたし好みで、すべてを美味しくいただけました。

サラダにメカジキの燻製がのっていたのですが、それがすごく珍しかったし、おいしかった。
鮎の酢干しを火であぶりながらいただくのも、この土地ならではで、すごく良かった。
温かい鮎を、頭の先から尻尾まで、丸ごと全部食べられるのはすごい!
そして、お味噌汁もお鍋を自分で温めて、好きなタイミングでいただけるのも、すごくよく考えれれていて、感動しました。
豆乳寄せもお鍋でグツグツと作りたてを食べられるのも、うれしい。
長芋も「自然薯なのかな?」粘りがすごくて、「これは美味しいでしょう!」と。
思わず食べてしまいたい!と思わせるメニューが多かった気がします。
「タバコの臭い」で始まった宿泊でしたが、ツルツルのお湯と、タヌキさんの繁栄パワーと、派手ではないし、一流ではないけれど心遣いが感じられた朝食とで、「ああ、すごくいい旅だったな」と心から思えました。
朝、チェックアウトして、バスで20分で本厚木駅に到着してしまい、家から近いのはいいけれど、旅の気分を味わえる時間も「あっ」という間なのが、ちょっと寂しかった。
温泉はやっぱり癒されますね。
温泉、また行きたいなぁ。
その土地ならではの美味しい食材のお料理と、全館完全禁煙で少食対応、お肉が苦手な人でも大丈夫な温泉旅館は、どこかにないかしら?