今年の4月に行った、アメリカのアリゾナ州にあるセドナの旅の記録をiPhoneのEvernoteで眺めていたら、ふと、ネイティブ・アメリカン(ネイティブ・インディアン)の事が知りたくなった。
「インディアン・スピリット」に初めて触れてみる
セドナと言えば、言わずと知れた、古来、ネイティブ・アメリカンが聖なる場所(聖地)とあがめた場所。
「ヴォルテックス」というエネルギーの渦が存在するという場所だからこそ(?)ネイティブ・アメリカンがそこを「聖地」としたのだろう。
…にも関わらず、私は「セドナ」についても「ネイティブ・アメリカン」についても、何の予備知識も入れぬ間にセドナに行ってしまっていました。
まぁ、「知識無しで先入観を持たずに行きたかった」ということも、その時はあったのだけれども、それから半年経った今、少しくらい「知って」もいいのではないか、と。
それで、一冊の本を購入してみました。
「インディアン・スピリット」。
「読んで字の如し」な本なのだけど、これがめちゃくちゃ良かった!

表紙は赤い布で、ビックリするくらい美しい。
そして、日常ではあまり馴染みのない、インディアンフルートの演奏曲が13曲も挿入されたCDも付属していて、こちらもすごく素晴らしい。
でも、何よりも素晴らしかったのは、本のタイトルにある、インディアンの魂(インディアン・スピリット)かな。
本に収められている写真と言葉は、1904年以前に撮られたものだけを厳選されているそう。
1904年以前というのは、文字ではなく口伝のみで、その教えを伝えていた時代の、本当に原初のアメリカに住んでいた純粋な「インディアン・スピリット」が生きていた最後の時代の人たちなのだそうです。
なので、一人一人の姿と言葉に、ものすごいパワーを感じます。
そして、ものすごく衝撃的な言葉もありました。
例えば、トウモロコシについて。
ネイティブ・アメリカンの食料というのは、主に、狩りで得たものとトウモロコシ。
トウモロコシを作る時、普通、農家の人がするような「土を耕す」とか「水をまく」という作業を私は思い浮かべるのですが、彼らのやり方は、ちょっと違う。
「土を耕す」とか「水をまく」とかは一切しない。
もちろん、たくさん採れるように「品種改良」などといったようなこともしない。
ただ、種をまいて、風で種が飛ばないようにして、そして収穫するだけ。
採れるトウモロコシも、品種改良しないので、原種に近いものだから、とても小さい。
…私には、最初、この意味が理解できなかった。
品種改良をしないのは多少理解できるけれど、どうして土を耕さないのだろう?水を撒かないのか?と不思議でしょうがなかった。
面倒臭いから?育てるのが嫌なのかしら?とも思っていました。
でも、この本を読んでみて、「その行動の意味」が初めてわかった!
あなたたちは、土地を耕せと言う。母の胸をナイフで切り裂けと言うのか?
そんなことをすれば、私は母の懐で休ませてもらえなくなる。
あなたたちは、掘って石を除けと言う。母の皮膚をえぐって骨を取り出せと言うのか?
そんなことをすれば、私は死んでも、母の胎内に戻って、生まれ変わることができなくなる。
あなたたちは、草を刈って干し草にして売り、白人のように金持ちになれと言う。
でも、どうやったら母の髪を切れようか。
これを読んだ時、胸が痛みました。
彼らにとっては、空は父、大地は母なんです。
だから土を耕すことは、母の体を傷つけること、さらに自分の体をも傷つけることだったんですね。
私は「土地を耕すのは、当たり前のこと」と、思っていました。
でも、ネイティブ・アメリカンにとって、「自然」は「自然のまま」で、あるがままの状態が一番望ましいと感じている。
決してそれを、ねじ曲げたりはしないんですね。
それと同じように、人間もそれぞれが「あるがまま」の状態で生きることを実現できるような思想が、彼らにはあるような気がしました。
私たち人間に肉体があるように、地球も一つの肉体なのだ。
今、地球で生きている生命はすべて、人間も動物も植物も鉱物も、すべて地球という肉体の細胞なのだ。
地球を傷つけることは自分を傷つけること。自分を傷つけることは地球を傷つけること。
正直、この本を読むまでは、いろいろなスピリチュアル本で、「すべてはひとつ」と言うけれど、頭では理解できるんだけれど、「腑に落ちる」という感じではありませんでした。
どういう行動がそういう「一つである」ということなのか?が、抽象的過ぎて、ピンときませんでした。
でも、この本は、すごく解りやすくて、なんだかここでは、すご〜くシックリときて、よく理解できた気がします。
多分、そういう生き方を実践してきたからこその説得力じゃないかな。
全く、思考がぶれていない。
この一冊を読んで、思いがけず感動したので、もっとネイティブ・アメリカンの思想を知りたいなぁ、と思いました。
生き方、ライフスタイル、子育て、環境問題、食事…いろいろなインスピレーションを与えてもらえそうです。
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